Linux / Ubuntu について: 何がいいのか,なぜ使い始めたか【自分のPCで使用しているソフトウェア,設定の紹介 #1】
今回は,環境紹介の第一弾として,使用しているOSについて紹介します。
そもそもOS(オペレーティングシステム)を意識したことのない人からすれば,何の話だというところですが,現在世界の(PCの)2大OSと言えば,WindowsとMac OS Xですね。 Windowsを使ってた友達がMacに乗り換えた,だとか,Windows 8からWindows 10にアップグレードされたとか,これらはOSの話です。
ということで今回の話は,Windows 8 がいいのか,Windows 10の方がいいのか,みたいなレイヤーの話と捉えてくれても大丈夫です。
さて,ここで僕が普段(研究室のパソコンでも,また自宅のノートPCでも)使っているOSであるところのLinuxについて,少し説明します。
Linuxは現在のPC全体におけるシェアは小さいですが,サーバー環境や,組み込みシステム(家電製品とか工場や医療現場での機械とか)での利用は多く,また,Googleがモバイル用に開発したOSであるAndroidも,Linuxカーネルの上にさまざまなソフトウェアを載せたものであり,そういう意味で,生活のあらゆるところにLinuxは普及していると言えます。
Linux「カーネル」という言葉が出ましたが,厳密にはLinuxとはLinuxカーネル("核"という意味)のことを指し,コンピュータの構成要素であるCPUやメモリ,ハード・ディスクなどの記憶装置の制御などを行う根幹的な部分のことを言います。
これに画面描画(←カーネルには含まれていない!)やユーザーからの指令を受けるシェル,その他ソフトウェアとして,ウィンドウの描画の仕方を制御する機能などを載せた状態が,Linuxの"ディストリビューション"として配布されています。 一般にデスクトップ向けのLinuxと言ったときには,このディストリビューションのうちの何かを指して言うことが多いです。
また,Linuxとその他のOSとの違いとして言及しておかなければいけないこととして,Linuxは"free"である,ということが挙げられると思います。
この"free"とは,「ビール飲み放題」(free beer)の意味ではなく,「言論の自由」(free speech)の意味です。 よく,Linuxが紹介されるときに,前者の「無料」の側面を強調することがありますが,大事なのは後半の「自由(freedom)」の方です。
例えば,最近見たWindowsに関する動画があるのですが,この中で述べられていることに衝撃を受けました。
Windowsの利用規約の中には,WindowsというOSはユーザーに対して「使用を許諾」しているものであり(2. aなど),Microsoftは必要に応じてPCの管理者より上位の権限によってPCの内部を管理することができる,ということが書かれている,ということでした。
つまり,仕様としてMicrosoft社が使う用のバックドアが準備してある,ということです。 これではユーザーの自由は奪われていると言ってもいいのではないでしょうか。
また,この機能が確実に信頼できるものであれば,まだ良いのですが,普通他人のPCに攻撃を仕掛ける人たちは,この同じバックドアを使用して,PC所有者には止められない仕方で攻撃を行うものです。 これを自主的に防ぐ方法は,ネットから完全に隔離する以外ありません。
では,Mac OS Xと比較するとどうか,というと,少し古いですがこちらの記事が参考になるかもしれません。
LinuxがMac OS Xよりも優れている10のこと - builder by ZDNet Japan
Mac OS XはAppleの定めるLicenseの上に構築されており,サードパーティー製のソフトウェアでできることに限界がある,ということが述べられています。
UNIXを元にしているだけあって,Windowsほどガチガチではありませんが,それでもLinuxの自由さに比べると,少し見劣ります(UI等センスがあり,ハードとの親和性では好きですが)。
一方でLinuxは,カーネルはGitHubなどでもホストされていて,常に誰でも見られますし,気に入らないところがあれば,ライセンスの範囲内であれば好きに自分で書き換えたりコピーしたりして再配布したりすることもできたりします。(そうやってオレオレディストリビューションを作っている人もまだたくさんいます)
そもそもディストリビューションとして配布する段階で様々なバリエーションがあることからも分かるように,デスクトップの見た目からキーボード・ショートカットの振る舞い,使うソフトウェアの種類など,ほとんど何でも自分でカスタマイズして使うことができます。 このあたりはWindowsやMac OS Xにはない,「良さ」だと思っています。
まぁ,しかしこのあたりはある程度暇のある人にしかできないことかもしれませんので,ディストリビューションごとの機能をそのまま使っている人からしたら,ディストリビューションの時点で選択肢がたくさんあるというだけで,特に利点でもないのかもしれません。
僕はLinuxの数あるディストリビューションの中でもUbuntu (バージョンは14.04 LTS)というものを使っています。 Ubuntuは定期的に新しいバージョンをリリースしていて,"Ubuntu 16.04"のように,ナンバリングは「年.月」となって,"Ubuntu nn.04"と"Ubuntu nn.10"というバージョンで進んでいっています。 プロプライエタリ・ソフトウェアの問題や,Amazon検索の問題(興味がある人は調べてみてください)などはありますが,基本的にはユーザーも多く,初心者向けの情報も(良くも悪くも)多いので,初めて使いはじめる人にとっては良い選択だと思います。
Linuxを初めてやろうかなという人の大半は,もう使わなくなったPCを再利用できないか,というモチベーションでいることが多いと思うので,できるだけ軽量なOSがいいと思われると思います。
ここで思い出して欲しいのは,ディストリビューションで提供されているデスクトップ環境やウィンドウマネージャは,(重いなどで)気に入らなければ後からでも変更できるということです。 (もちろん,元々入れていたアプリケーションの兼ね合いで相性はあるでしょうが)
そこで,初心者で軽量OSを求めている人におすすめするのは,以下のパターンです。
- Ubuntu導入後,デスクトップ環境である LXDE もしくは Xfce (もしくは後日紹介するxmonadなどのタイリングウィンドウマネージャ)をインストールして使う
- Lubuntu (LXDE)
- Xubuntu (Xfce)
- Debian + Xfce
- Debian + LXDE
興味があって,ググる力のある人であれば,ドキュメントもありますし,PC固有の問題もPC名でググるなどすれば解決できることの方が多いので,ぜひ試してみてください。
時間がやばいので今回はこの辺にしますが,僕がUbuntuを使うようになったのも,ちょうどXPのサポートが切れるらしい,というような時期だったので(2~3年前?),Windows 10に不信感があったり,同じようにXPの入っているPCを持っている方は挑戦してみるといいかもしれませんね。
(但し,こだわると楽しくなっちゃうタイプの人は,将来のことも考えて,自制しましょうね)
参考: